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耐震診断基準
住宅の耐震対策に関心をもって調べていると、事あるごとに「耐震基準」という言葉にぶつかることでしょう。
耐震基準を満たしているかどうかが補強・改修の必要性を判断する物差しなのです。
しかし、具体的にこの耐震基準というものがどのようなものであるかを正確に理解している方は、 そう多くはないのではないでしょうか。詳しく知らなくとも、専門家に任せておけば充分な耐震対策を施すことは可能です。
ですが、どんなことでも知らないよりは知っておいたほうがなにかと便利なもの。 情報不足は不安の最大の原因となりますし、知識がなければ疑問点を質問することもできないのですから。
大事な自分の家にまつわる大切なことです。しっかりと理解したうえで耐震対策を練るに越したことはありません。 専門家にすべてを任せきりにするのではなく、自分でもある程度の知識をつけておく事が、不安を取り除くことにもつながるはずです。

耐震基準とは、建築物が保有すべき最低限の耐震性能を法令によって明確に定めたものです。
つまり、安全なガイドラインを定めたものが耐震基準です。設計段階でこれを満たしていなければ、建築許可が下りることはありません。
ですから、原則的には日本中のあらゆる建物が耐震基準を満たしているはずなのです。 しかしながら現実には、非常に多くの建築物がその耐震性に疑問を呈され、耐震診断の必要性を説かれています。
これはどうしてなのでしょうか?
答えは簡単、耐震基準は歴史のなかで何度も改正されているからなのです。つまり、現行の耐震基準が制定される以前に 建てられた建物の場合には、「その当時の耐震基準には合致していても現在の基準だと適合しない」という事になり改めて 耐震診断が必要となるわけです。
【耐震基準の変遷】

1920/12/01

1924/12/15

1950/11/23

1971/06/17

1981/06/01

根拠となる法令

「市街地建築物法」

「建築基準法」および「建築基準法施行令」

備考

日本初の

耐震基準

関東大震災を

受けての改正

いわゆる

「旧耐震基準」

いわゆる

「改正旧耐震基準」

いわゆる

「新耐震基準」

耐震基準の特徴

地震力の

規定はなし

水平震度

0.1を要求

水平震度

0.2に引き上げ

RC造の帯筋の

基準を強化

一次設計、

二次設計の

概念を導入

日本で初めて耐震基準が制定されたのは、1920年(大正9年)「市街地建築物法」が施行されてからのことでした。 これは、世界で最初の耐震基準でもあります。ただし、この時点ではまだ、求められる耐力はあくまでも自重に対するものであり、 地震力については一切言及されていません。日常的な地震は想定されていても、大災害を引き起こすような巨大地震は想定されていなかったのでした。
その認識が変わったのは、1923年(大正12年)に関東大震災が発生して以降です。大都市・東京が焼け野原となったこの一見を契機に、 地震被害を防ぐための構造強度が求められるようになり、市街地建築物法が改正されました。
ここではじめて、具体的な地震力への言及が登場します。やがて戦後になると、市街地建築物法を廃止して代わりに建築基準法が施行されます。 これが1950年(昭和25年)のことでした。このときに定められた基準が、 いわゆる「旧耐震基準」として知られているものです。
基本的には従来の市街地建築物法を踏襲したうえでグレードアップしたものだと考えてよいでしょう。 ただ、この法施行の段階では、日本が現在のような先進国になるとは想像もしていなかったのでしょう。 高度経済成長を迎え、高層ビルが林立し都市部の人口集中も顕著になると、 従来の木造住宅を前提とした耐震基準では時代に合わなくなってきていました。 その後は、大きな地震被害があるたび基準は細かく見直されていくことになります。
1968年の十勝沖地震の後、1971年には、「改正旧耐震基準」が施行されました。 ここでは主に、柱の強度について見直されましたが、これはのちに阪神・淡路大震災の際に威力を発揮することになります。 1981年(昭和56年)6月1日には大幅な法改正を実施。ここで定められたのが、現在のいわゆる「新耐震基準」です。

まず、この二つには大きなコンセプトの差があります。あくまでも旧耐震基準は、建物の地震による倒壊を防ぐことが目的でした。 一方、新耐震基準では、建物内の人間の安全確保が目的となっております。 これが如実に現れているのが「靱性」の重視です。耐震性能の算出法は、簡略化すると以下のように表すことができます。
「耐震性能=強度×靱性」
この原則は、素材や工法にかかわらず、いかなる建築物にも共通です。強度というのは、文字どおり、衝撃による変形への耐性のこと。 強度が高ければ高いほど、壊れにくくなります。昔は、この限界をどんどん高めて丈夫な建物にすることだけに主眼をおいていました。 しかしながら、固い物体には意外な弱点があります。限界点までは非常に強いのですが、一定以上の負荷が加わった場合には、 かえって破損しやすくなってしまうのです。割り箸を想像してもらうと理解しやすいでしょう。 普通に使用している分にはなかなか折れることはありませんが、折れるときにはきれいに真っ二つになってしまいます。 そこで靱性ももたせようということになったのです。靱性とは粘りの事で、変形はしても壊れにくい性質のことです。 変形することで結果的に負荷を逃がし、一点に集中させないようになるのです。 簡単に曲がるけれどなかなか折れない針金のようなものだと考えてもらえばよいでしょう。 強度と靱性はどちらか一方だけでは脆くなってしまいます。強度型の特性と靱性型の特性とをうまく組み合わせることで、 さまざまなタイプの揺れに対応できるようにしたのが新耐震基準のポイントなのだといえます。 1981年5月以前の建築物について耐震診断が推奨されるのは、新耐震基準が本当に大幅な改正だったからなのです。

耐震基準が大きく変わってしまった事で、耐震性能の計算の仕方が複雑になってしまったのでした。 まったく知識のない状態から耐震対策について調べていくと、最も理解しづらいのが、 q値やIs値といった専門用語なのではないでしょうか。これらは、いずれも耐震性能を計測するための指標です。 現在、専門家が耐震診断を実施する際には必ずこれらの指標を用いることになります。 専門度が高く、少々むずかしい内容ですができるかぎりシンプルに定義や考えかたを解説しておきましたので興味のある方はぜひご一読ください。
(1)Is値 Is値とは、構造耐震指標のこと。
建造物が地震に対してどれだけの耐震性能をもっているかを測る指標で、数値が大きいほど耐震性能は高くなります。 専門的には、「Is=Eo×SD×T」という公式が用いられます。Eoというのが柱や壁の強度や靱性によって決まる数値で、 SDは耐震構造物の配置のバランスのよさ、Tが経年による劣化具合を表しています。 図面をベースとした1次診断でもIs値は算出可能ですが、実際の判定に用いられるのは、実地診断による2次診断でのIs値です。
国土交通省告示によれば、次のようにIs値と耐震性の関係は定められています。

Is値

耐震性との関係

0.6以上

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い

0.3以上~0.6未満

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある

0.3未満

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い

ここで0.6が基準となっているのは、上でも述べた十勝沖地震の際の被害状況にもとづいているためです。 0.6以上の建築物については、壁が剥がれたりひび割れといった程度の被害はあったものの、倒壊が生じたものがなかったのでした。 もちろん数値が大きければ大きいに越したことはなく、自治体によっては、公立の小中学校に対して0.75以上を義務づけているところもあります。 こうした基準は、次のIso値によって算出されています。
(2)Iso値 Iso値とは、目標耐震構造指標のこと。
耐震性能と一概にいっても、実際には、その地域や地盤、建物の用途によって求められる耐震性能は変わってきます。 平地と山間部では当然変わってきますし、公共性の高い建築物であれば一般の住宅以上の耐震性能が求められるわけです。 こちらは、「Iso=Es×Z×G×U」という公式で表されます。Zは地域指標でGが地盤指標、Uが用途指標です。 Esには一次診断であれば0.8、二次以降の診断であれば0.6を代入します。
(3)q値 q値とは、保有水平耐力に係る指標のこと。
こう書くとむずかしそうな言葉ですが、要するに、水平方面の力に対しての耐性のこと。
こちらも、国土交通省告示で、次のように耐震性との関係が定められています。

q値

耐震性との関係

1.0以上

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い

0.5以上~1.0未満

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある

0.5未満

地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い

たとえIs値が基準を満たしていたとしても、q値が基準外であれば、その建築物は耐震基準を満たしていないと判断されます。 こうした指標を総合的に見ることで、耐震性の判定がなされているのです。

しかし、上記のような指標はやはり専門的すぎて、一般人が感覚的に理解するにはなかなかむずかしいものがあります。 人間は理解できないものを無意識に敬遠してしまいがちです。もし一刻も早く耐震補強が必要だという判定結果が出たとしても、 よくわからないからと放置されてしまったのではなんの意味もありません。そこで2000年(平成12年)住宅品質確保促進法(品確法)が施行されました。 このなかで提唱されたのが「耐震等級」の考え方なのです。これは建築物の耐震性を三段階で表したものであり、 誰もが感覚的に自分の建物の状態を把握することができます。
三つの等級は以下のように定められてます。

耐震

等級1

数百年に一度発生する地震(震度6から震度7程度)の地震力に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(震度5強程度)の地震力に対して損傷しない

等級2

上記の地震力の1.25倍の地震に対抗できる

等級3

上記の地震力の1.5倍の地震に対抗できる

専門的な記号や数字が登場してくるよりも、この三段階のほうが遥かに理解しやすく、 受け入れやすいものであるはずです。なお、ここでいう等級1というのが建築基準法と同等だとされてます。 つまり、建築することのできる最低基準が耐震等級1ということになります。 すると、一見このレベルでも安心かに思えてしまいますが、早合点は禁物。実際には、 耐震等級1では、震度6程度の地震で損傷の可能性があるのだという事に注意が必要です。 耐震等級1であっても現行の耐震基準は満たしていますが、枕を高くして眠るためには物足りないというのが実情でしょう。 一般的には等級2以上の耐震性を求めて設計されることになります。ぎりぎりで基準を満たしているという場合には、 法的には問題はなくとも、補強・改修を検討してみる価値はありそうです。

Is値と耐震等級の対応表を載せます。耐震対策の際の参考にして下さい。

耐震等級

強度

Is値

等級1

新耐震基準に等しい

0.6に相当

等級2

新耐震基準×1.25

0.75に相当

等級3

新耐震基準×1.5

0.9に相当